昨夜テレビで「魔女の宅急便」を放送していた。見るつもりはなかったのだがチャンネルが合っていたのでそのまま始まった。開始5分くらいでワクワクが止まらなくなり、これは腰を据えてみなくては…となった。
家族やお友達に応援されて家を出て自分が暮らす街を探すために箒に乗って飛び立つシーン、先輩魔女のおすまししてマウント取りながらも最後はちょっと応援してくれるあの声のトーン、貨物列車に忍び込んで雨を凌いで、朝起きたら牛たちに足を舐められてくすぐったがるシーン、どれも最高すぎる。
そしてわたしは子供の頃、「絵描きのお姉さん」にかなり強く憧れていたことを急にはっきり思い出した。スケッチブックに木炭で絵を描いているあの感じ、タンクトップにショートパンツの潔さ。いわゆる「女性らしさ」ではない等身大のスタイルと、絵を描くのが好きでそのまま絵描きになろうと思ったというお話も。すべて憧れの対象だったと思う。
大人になって改めて見ると、わたしは彼女(絵描きのお姉さん)に憧れていながらも同じようなスタイルにしようとしたことはない。タンクトップもショートパンツも身につけないし、山小屋にこもったりもしない。でも自分なりに「女性らしさ」ではない等身大を探してきたし、絵を描くのが好きな気持ちもずっと持ち続けて暮らせているんだなぁと振り返れた。
それから、子供の頃に見た時は、キキがとんぼに惹かれる意味が全然わからなかった…。ぶっちゃけ頼りないなぁと思っていた。でも今見たらわかる。とんぼはキキと親しくなりたい気持ちを素直に表に出して変に恥ずかしがらない。キキが約束を守れなくてもちゃんと事情を理解してくれる。自分がやりたいことにもまっすぐ。自分のことを隠さないし、相手のことも受け止められる信頼できる人なんだなと。
それ以外にも、ジジが人形の代わりに連れて行かれたおうちの犬、ジェフがめちゃくちゃジェントルで最高にかっこよかった。パン屋の旦那がキキのためにパンの看板を作ってあげたのもかわいすぎる。ニシンのパイを薪で焼くことになったときの奥様とバーサの楽しそうな雰囲気も大好き。バスの中でお姉さんがボールガムを受け止め切れないくらいゴロゴロとくれるシーンも大好き。
街に降り立ったものの、街の人に歓迎されていないのかな?と感じていたキキに、おソノさんが言った、
大きい街だからね、いろんな人がいるさ
はいろんな方向で受け止められるけど、そのあと「わたしはあんたが気に入ったよ」と添えられている。物語を通したら
お互いのことがわかったら、受け入れてくれる人がほとんどじゃないかな
というような意味だったのかなぁと思った。キキのこの街の暮らしはまだスタート地点みたいな終わり方だったのも気持ちよかった。エンディングでその後の暮らしの様子を垣間見せてくれたのも、家族に書いた手紙の文言も親元を離れて別の街で暮らし始めた時に同じようなことを思った経験を経るときゅんっとするものだなぁと。
何気に見たけどとってもワクワクしたので記録でした。
画像はジブリ公式サイトが提供しているもので構成しました。改めてどのシーンもよいです!