いつも聴いているTBSラジオのたまむすびのコーナー「春風亭一之輔のまくらだけ話します」で、まくらだけ聞き続けていた春風亭一之輔さんの落語。5月に鹿児島で予定していた独演会が感染症対策で延期になっていたみたいで10月12日に開催されることになったと知り、足を運んできました。
川商ホール(旧鹿児島市民文化ホール)にて。はじまる前に検温と、来場者カードの記入があり、感染者が出た場合は連絡が取れるような状態でいざ客席へ。1席ずつあけて、マスクをしての鑑賞でした。事前に配られた博多・天神落語まつりのラインナップのそれぞれの回のネーミングが独特すぎて一緒に行った友達とその時点で盛り上がってました(リンク貼ったのでぜひ見てください)。この博多・天神落語まつり、銘は福岡の地名ですが九州各所でいろんなラインナップで開催されるみたいです。11月1日に鹿児島でも予定されていて、一之輔さんも再来されます。こちらは宝山ホールにて。
落語を生で見たのは、以前D&DEPARTMENTと柳家花緑さんがやっている「d47落語会」の鹿児島の回を見に行ったことがあるだけ。その時は、語りや仕草を見聞きすることで脳内に絵が浮かぶという体験がおもしろかったです。わたしはもともとドラマや演劇の鑑賞が好きで、伝統芸能的なものだと歌舞伎や狂言は何度か見たことがありますが、どれも舞台装置や小道具による演出も込みで受け手側にディティールをしっかり伝えてくるんだなと。映像作品については、クローズアップしたり視点も演出してきますもんね。でもそれらがなく、状況を語る言葉と各登場人物のセリフと仕草だけで語られるので、受け取り手に委ねられる部分が多くなって、違った広がりがあると感じます。大事なポイントをわかっていないと出来ない芸ですよね。
肝心の独演会の感想は、とってもおもしろかった!!!です。
話芸を聞きに行った感想としてどうなのかという語彙力のなさですが笑 落語に入る前の語り(これがまくらってことですね!)は、まさにたまむすびで聞いている一之輔さんの話を聴いているときのようで、リラックスしたスタートで、スッとお話に入られました。ひとつの演目が終わるとすっかりその世界が自分の中に展開されていて、一人で話していたのを見ただけなのに何人ものキャラクターがいてセット転換もあったかのような気持ちになって狐につままれた感じになりますね。これは見た方にしかわからない世界。「見せ方」という点で、自分の仕事にも参考になる部分があるように感じました(これは演劇や映画、ドラマなどについても同じですが)。
わたしは常日頃からリアクションの大きいタイプで、結構すぐ笑ったり、びっくりしたり、悲しくなったりしてリアクションしちゃうので、映画や演劇などを見に行って、周りの人が抑制的なタイプでまとまったときにとてもつらい思いをするタイプです(気を遣って騒がないようにしないといけないため)。今回はありがたいことに、座席の周囲の人たちが皆さん笑い上戸タイプ揃いで、なんなら先に爆笑している感じだったので、なんの気遣いもなくおもしろいところで笑い、手を叩いて楽しめました。むしろその人達の盛り上がりがさらにおもしろさを増幅させていたかと…。
落語の演目はもちろんのこと、間で話される一之輔さんの最近の話もどれもおもしろかったです。終わってから夕飯食べるときも、ちょこちょこ独演会で一之輔さんが話したことを思い出して真似したりして笑ったりして楽しい夜となりました。また他の方の公演なども見に行こうと思います。演劇や落語は基本黙っているし、今回のように検温や来場者カードの管理がされていれば楽しめそうだな〜と思った次第です。